アドラー

アドラー心理学研究室~日常の中のアドラー

アドラー心理学に基づいた生き方をしっかりしたレベルで身につけるには、その人がアドラー心理学を学び始めた年齢の半分の月日が必要だと言われている。

筆者がアドラー心理学と出会い、学び始めたのは39歳の時。

ということは、上から下まで全身アドレリアンになるには18年の歳月が必要ということ。

合計すると、57歳・・・人生終盤に差し掛かった辺りか。

まあ、色々と人生経験を積み重ねて尚、生き残っているとするならば、丁度いい年頃かもしれないな。

その頃には今より、もう少しは人々に実態的に貢献できる力も身についていようほどに。

ここでは筆者が学び進めている『アドラー心理学』について、座学よりも重要とされる日常に置いてのアドラー心理学の実践を意識し、毎日を送る上で気づいたことや変化につていを備忘録的に書き記していく。

今42歳なので、あと15年は修業期間が与えられている。とはいえあと3年うち位までには、何とか一応の変化を感じて一つの山を制覇しておきたいとは思っているのだが。

アドラーはじめの一歩

アドラー心理学の名をよく耳にする日本になっているが、その中身は様々である。
アドラー心理学が持つ高い汎用性の表われとも取れるが、それゆえに迷いやすい。

何を求めて彷徨い来た末、アドラー心理学に辿り着いたのかは人それぞれであろう。
人が求めるものも様々であるが、現代の日本で触れることのできるアドラー心理学もまた、独自の展開・解釈をしたバリエーションアドラー心理学の状態である。

例えば、親子関係の悩みをなんとかしたい。仕事の人間関係での悩みから解放されたい。
自分のことが好きになれない、愛せない。仕事のマネージメントや人材育成に役立つヒントがほしい。

これらの部分特化した見出しと中身で売り出し中のアドラー心理学も大量にあるし、またそれなりに有効な時もある。

しかし、アドラー心理学のはじめの一歩を踏み出すなら、或いは踏み出したけど原点に近いエッセンスでもう一度踏み出し直したいなら、源流に続く線を辿れば良いだけである。

アドラーから直接に教えを受けたドライカース。そこに続くシャルマン。
そのシャルマンから直接の学びを受けられた野田俊作先生の存在が、日本には確かにアドラー心理学が伝わっていると明言できる根拠と言えると、私は考える。

もちろん、野田先生が全くアドラー原型の完璧なコピーであり、ご自身の個性というか色というか、そういったアドラー心理学以外の野田先生の中にあるものから影響を受けていないかといえば、そんなことはない。
ご自身のブログでもそれは述べられていて、アドラーから続く直弟子系統の先生方もそれぞれ、ベースとなる職業なり研究分野なり宗教なりの色を纏ったアドラー心理学の解釈となっている。(野田俊作の補正項2010年6月29日アドラー心理学の伝承より)

だがそれでも、少なくともアドラー心理学の源流のようなエッセンス・教えだけを忠実に伝えようと意識するならば、上記の先生方は可能なのである。

なぜなら、アドラーから確かに繋がるオリジナルのアドラー心理学の大切な部分を学び受け継いでいるからである。

そのアドラー心理学の源流に触れたいならば、日本人には幸いなことに最適なテキストがある。
野田俊作先生の書かれた本である。

もとは『トーキングセミナー』という題名で出版された野田俊作先生の著書で、現在の日本アドラー心理学会の古参会員やベテランアドレリアンの方々の多くが、この『トーキングセミナー』に出会い、感銘を受けてアドラー心理学の世界に誘われたという伝説の名著。

長く復刊を望まれていた同著が、2016年12月に『アドラー心理学を語る』というシリーズとして発売された。

現在日本におけるアドラー心理学隆盛の礎を築いたと言っても過言ではない野田俊作先生の著書は、これからアドラー心理学を本格的かつ正統的に学んでいきたいと志す人には、お勧めして間違いない本である。

何事もまず、基本が大事というのは多くの人が持つ共通認識と思う。

型が有るから型破り。型が無けりゃあ型なしよ!と言う訳で、現代日本に存在するバリエーションアドラー心理学の良さも価値の有無も、判断の元となる源流を知っているか否かでその後の行末が大きく変わると思う次第。